彼女の素顔

INTERVIEW

Vol.21

Hana Burton

今はレーシングドライバーになるための
旅路の途中
モータースポーツで
日本とアメリカの架け橋に

Hana Burton

フォロワー数は40万人超え
インフルエンサー、レースに挑む!



バートン・ハナ選手(以下、ハナ選手)はカリフォルニア生まれのクルマコンテンツクリエイター。フォロワー数が40万人を超える人気インフルエンサーだ。現在、LAと日本の二拠点を中心に活動している。


「レースの関係で今は日本に滞在している期間が長いですが、それでも今月はアメリカに2回行っていたり、インドネシアや香港にも行ったり。海外のレース関連の仕事もあり、インフルエンサーとしていろんな活動をしています。アメリカでは現地のモータースポーツを発信し、こっちに来てからは日本のモータースポーツ界で夢を追って、一人前のレーシングドライバーになっていく旅路をたどるスタイルになりつつあります。」


人なつこいキュートな笑顔に心がくすぐられる。レース歴はまだ2年だが、チャーミングな人柄も相まって、SNS上のみならずモータースポーツ界でもすでにその存在感を発揮している。そんなハナ選手が、レーシングドライバーに憧れを持ったのは約5年前のことだ。


「日本の自動車用チューニングパーツメーカー『HKS』のアメリカ支店に勤めていたとき、オリジナル部品を開発するためにデモカーでサーキット走行する日があって。たまたま時間があって、そのデモカーでサーキットを走らせてもらったんです。それがすごく楽しくて、ドライバーになりたいと思うようになりました。」


しかしアメリカはモータースポーツこそ盛んだが、女性の参戦は容易ではない。そこでハナ選手がチャレンジの場として選んだのが、自身のルーツでもある日本だった。




レースを学ぶために来た日本で
KYOJO CUP参戦のチャンスをGET





「アメリカでは女性がレースに出ること自体、ハードルがとても高いです。その点、日本のモータースポーツ業界はフレンドリーなので、来日する決め手のひとつになりました。来日後は、まずはレースデビューに適したカテゴリーからチャレンジしてみようとなって、ヤリスカップに参戦しました。」


2022年、スポーツランドSUGOで開催されたヤリスカップ東日本シリーズで、ハナ選手はルーキー賞とGOOD YEAR賞をダブル受賞。表彰されたことも嬉しかったが、このとき次なるステップアップへとつながる出会いもあった。


「ヤリスカップで翁長実希選手と出会って、彼女がKYOJO CUPの関谷正徳さんを紹介してくれたんです。それで関谷さんがオーディションに声をかけてくれたんですが、当日雪が降ってオーディションが延期になってしまったんです。私はアメリカに帰らなければならず、順延日は参加できなくて。それでも諦められなくて、レンタルしていたVITAでの走りをGoproで撮影したんです。チームに送ったその画像が関谷さんにも届いて、スカウトされました!」


InstagramのDMに届いた、“ Would you like to join  our team ? ”のメッセージ。ハナ選手は「最初見たとき怪しかった」と、笑いながら当時を振り返る。こうしてKYOJO CUP参戦のシートをGETしたことを機にハナ選手は愛知に拠点を設け、レースウィーク以外もサーキットに通いながら技術の向上に余念がない。




自信が持てるレベルになって
日本での活動を世界へ発信したい





「カート経験もなくゼロからスタートしましたから、新人ドライバーとして学ぶことだらけです。ブレーキング、ドライビング、車間距離のとり方、and more…、すべてが学びの途中過程です。経験者の多いKYOJOのドライバーたちにはまだまだ追いつかないので、みんなの10倍は頑張らないと。」


昨年のKYOJO CUPはシーズン11位でフィニッシュ。今年の第一戦は8位とシングルにつけたが、納得できる戦績ではない。インフルエンサー活動の中で、ハナ選手は参戦したレース動画はまだアップしていない。


「SNSにアップできるような走りがまだできてないです。今はスキルアップに集中してお見せできるレベルになったら、SNSにも公開していきたいですね。KYOJO CUPについてもそのうち紹介できたら。」


今年の目標を尋ねると、「表彰台に乗ること!」とキッパリ。いずれは日米二拠点で活躍することも夢ではない。


「まだアメリカでは、日本のモータースポーツについて全然知られていません。たとえば、アメリカには国際的なシングルシーターレースに向けた若手女性ドライバーを育成する『F1アカデミー』がありますが、メンバーはKYOJOのことを知りません。私の活動が、日米間のモータースポーツ交流の何かにいつかお役に立てればと思います。」


The journey to becoming a racing driver.  夢の実現に向かって、ハナ選手の旅路は続く。