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斎藤 愛未サイトウ アイミ
#17 TEAM M VITA
2024年のKYOJO CUP第2戦が7月19日(金)・20日(土)に富士スピードウェイで開催され、2レースとも複数台が争う激しいバトルが繰り広げられた中、#17 斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)が第2戦で初優勝を飾り、翌日の第3戦も最終ラップで逆転し2連勝を飾った。
これまではインタープロトシリーズや富士チャンピオンレースとの併催として開催されてきたが、初めて国内トップフォーミュラである全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催。7月19日(金)に予選を行い、20日(土)に第2戦決勝、23日(日)に第3戦決勝が行われるスケジュールで開催された。また各レースのグリッドについてだが、予選で記録されたベストタイム順で第2戦のグリッドが決まり、第3戦はセカンドベストタイム順となる。そのため、最低でも2回はタイムアタックをしないと良いグリッドを手に入れられないことになる。
今回は年間エントリーしている28台に加えて、#18 坂上真海(CRUX RYUREN VITA)と#112 池島実紅(SPIRIT VITA)が参戦。過去最多となる30台がエントリーした。しかし、直前に#107 小林眞緒(FLRセラHC猫VITA107)が欠場することとなり、29台が出走する形となった。
19日(土)14時40分から始まった公式予選は、グリーンシグナルとともに全車がコースイン。今回は気温と路面温度が高いこともあり、セッション序盤からタイムを更新するドライバーが圧倒的に多く、計測1周目から#38 佐々木藍咲(LHG Racing DRP VITA)が2分00秒992を記録しトップに浮上した。
計測2周目に入ると各車とも大幅にタイムを更新していき、#86 下野璃央(Dr.DRY VITA)が2分00秒136でトップに立つと、#114 翁長実希(Car Beauty Pro VITA)が0.121秒差で2番手につけた。
開幕戦のポールシッターである斎藤は、タイムアタックの位置取りがうまくいかず、なかなかタイムを上げられない状況だったが、計測3周目に2分00秒355をマークして3番手に浮上。5月の第1戦でトップ争いを演じた3台が、今回も予選で上位を独占する流れとなった。
トップの下野はベストタイムを計測した翌周も連続でタイムアタックに挑むが2分00秒234でベスト更新ならず。ただ、セカンドベストタイムでもライバルを上回って暫定トップとなった。
セッション残り5分を切ったところで斎藤が2分00秒441を記録し、セカンドベストタイムで2番手に浮上。各車とも終盤までタイム更新を目指すが、今回は予選と決勝2レース分を同じタイヤで戦わなければならないため、チェッカーを迎える前にピットに戻ってくる車両も少なくなかった。
結局、上位陣の順位は変わらずセッション終了を迎え、下野が今季初ポールポジションを獲得。セカンドベストタイムでもトップを守り切り、ダブルポールを記録した。2番手は翁長、3番手には斎藤が並び、4番手には予選自己最上位となる佐々木、5番手に#44 平川真子(ROOKIE Racing RSS VITA)、6番手には平川とわずか1000分の2秒差で#50 永井歩夢(BBS VITA)が続いた。
「開幕戦で調子が悪かったところを改善してきましたが、ちゃんとデータ上でも良くなっていたので、タイムにもそれが出ているので良かったです。私がアタックした時は、前にクルマはいたものの引っかかることもなかったのが良かったです。今回の予選はメインストレートで追い風で、コカ・コーラコーナーに向かう直線が向かい風になります。そこでタイミングよくスリップに入ることができたので、それが大きかったです。
2レースともポールポジションなので、まずはスタートをきっちりと決めて、1周目のコーナー区間で逃げてくればストレートで並ばれても抜かれるまでには至らないと思うので、とにかく1周目が最大の勝負どころだと思って臨みたいです。」
20日(土)の13時00分から12周で争われた第2戦決勝。今回はJ SPORTSでレース映像が生中継放送されたほか、併催されるスーパーフォーミュラの公式アプリ「SFgo」でもレースの模様が配信された。また、現地には1万8100人が来場し、大注目を集めるなかでスタートを迎えた。
TGRコーナーまで距離があるため、スタート直後から激しいポジション争いが繰り広げられたが、好ダッシュでライバルを引き離した下野がトップを死守。翁長と斎藤がこれに続いた。その後方では永井、佐々木、山本が3ワイドのバトルを展開し、中団では5台が横並びになる場面もみられた。
各車がコカ・コーラコーナーに入っていくが、TGRコーナーでの攻防でポジションを下げていた#36 荻原友美(KNC VITA)がスピン。どうやら直前に接触があったらしく、その影響でのスピンだった。その真後ろを走っていた#28 樋渡まい(Car Beauty Pro RSS VITA)が避けきれずに接触。2台がコース脇にマシンを止めたため、セーフティカー(SC)が導入された。
マシンの回収を終えて5周目にレースが再開されると、下野、翁長、斎藤によるトップ争いが白熱した。
その中で積極的に仕掛けていた翁長。6周目に下野を抜いてトップに浮上し、そのままリードを広げにかかった。後方では今大会が久々のKYOJO CUP参戦となる#112 池島実紅(SPIRIT VITA)と、#225 富下李央菜(KTMS VITA)がダンロップコーナーでサイドバイサイドのバトルを展開。後方でも各車で抜きつ抜かれつの戦いが繰り広げられた。
6周目に入ると、トップ集団が翁長、下野、斎藤、平川の4台に絞られ始め、優勝争いが本格化していく。何とかリードを築きたい翁長だったが、7周目のメインストレートでは下野と斎藤がスリップストリームを使って接近。3ワイドの状態でTGRコーナーヘ飛び込んでいった。ここではスピードを伸ばしていた下野がトップを奪い返し、斎藤も2番手に浮上。3番手に下がった翁長はダンロップコーナーで平川にもかわされ、4番手まで後退してしまった。
開幕2連勝に向けて何とか挽回したい翁長は、平川を抜き返そうと積極的に仕掛けていく。9周目のダンロップコーナーで翁長が一度前に出るが、再び平川が抜き返して3番手を取り戻した。
これでトップ争いは下野と斎藤の一騎打ちに。レース後半に焦点を絞っていた斎藤は2番手に上がった勢いで下野に近づいていき、8周目のTGRコーナー手前でオーバーテイク。トップに立つと、その周に2分00秒716、翌9周目には2分00秒503とファステストラップを連続で更新し、下野との差を1.2秒まで広げた。
3番手争いも変化があり、10周目のADVANコーナーで翁長が再び3番手を取り戻した。
その直後、13番手を走行していた#34 保井舞(中央電材エムクラフトVITA)がTGRコーナーでスピンを喫し、グラベルゾーンにストップ。マシンを回収するために2度目のSC導入となった。
残り周回が少なかったこともあり、レースが再開されないまま12周を終えてチェッカーフラッグが振られ、斎藤が待望の初優勝を飾った。2位には下野、3位には翁長が続いた。
「とても嬉しいです。ただ、ひとつ悔しいところはSC先導の状態で終了になってしまったことです。後ろとの差はけっこう離れていましたけど、SC終了ということで実力が十分に発揮しきれず終わったのが、少し残念だったなと思います。でも、チームの皆様とオーナー様の協力があって初優勝なので、本当に嬉しく思います。
最初にSCが入った時は3位のままでしたけど、バトルをする周回数が短くなることで自分の力が発揮できるのかなと期待はしていました。自分が望んだ展開になったと思います。
今回は第2戦と第3戦を同じタイヤで走ることになります。そこは未知数ではありますが、今日と同じような速さを見せられるレースをしたいと思っているので、引き続き頑張ります」
「今回はスタートをしっかりと決めて、相手に対して差をつけていけたら良いなと思ってレースに臨みました。一瞬差をつけることはできたのですけど、すぐに追いつかれてバトルになっていきました。(抜かれた後に)すぐ抜き返さないと置いてかれてしまうと思って応戦したのですが、ちょっと厳しかったです。2位に下がった時は、後ろとは離れている状態だったので前だけをみて走りました。第3戦では今回みたいに離されることなく、食らいついていって、ちゃんと1位で帰ってきたいです」
「連勝がストップしたことは悔しいです。レースに関しては、スタートは普通に行ってすぐにSCが出ました。SC後のスタートも非常に良かったと思います。ただ、トップに立った後の1コーナーで2台にさされてしまい、その後のダンロップコーナーでも抜かれて、一度4番手に下がったことが今回の敗因だと思います。前の選手を逃さないようにスリップストリームが使える圏内に行きたかったのですけど、どうしても抜き切ることができませんでした。次のレースは、勝つためにいろんなトライをして、勝てるように臨みたいです」