FIRST
- TOTAL POINTS
- 81
斎藤 愛未サイトウ アイミ
#17 TEAM M VITA
2024年のKYOJO CUP第5戦が10月6日(日)に富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートした#86 下野璃央(Dr.DRY VITA)がトップチェッカーを受けたが、2位に入った#18 坂上真海(CRUX RYUREN VITA)とともにレース後の車検不合格により失格となり、繰り上がりで#114 翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)が今季2勝目を記録した。
午前8時20分から行われた公式予選は、前日から降り続いた雨の影響で路面はウエットコンディションの状態で行われた。グリーンシグナルが点灯すると各車が一斉にコースインし、タイヤを温めながらタイム更新を目指していった。
雨は降っていなかったものの、路面に残っている水の量が多く、各車ともセッション後半でのタイム更新を視野に入れて周回を重ねた。開始から10分を経過して、トップタイムは翁長が記録していたが、後半になって下野が2分12秒台までタイムを更新した。そこに第3戦以来のエントリーとなった#225 富下李央菜(KTMS VITA)が2分11秒676でトップタイムを更新する。彼女がデビューした2023年開幕戦も同じようなウエットコンディションでタイムを伸ばしてポールポジションを獲得していたこともあり、今回もそのままトップを奪うのかと思われたが、残り3分を切って下野がさらにペースアップ。最終ラップで2分11秒403までタイムを更新した。
これに対して翁長が2分11秒558でわずかに届かず。さらに第4戦で好レースを披露した坂上が2分11秒534で2番手に食い込んだが、誰もトップタイムを上回ることができずセッション終了。下野が今季2回目のポールポジションを獲得した。2番手に坂上、3番手に翁長が入った。ランキングトップの#17 斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)はペースが上がらず、6番グリッドとなった。
「走るたびに路面が乾いてく状況でしたけど、ダンプコンディションというよりは普通のウエットに近い状況でした。タイヤも全然温まらなくて、セクター2もアンダーステアが出ながらでギリギリでしたけど、ウエット路面には自信がありましたし、ポールポジションを獲ることができて良かったです。今回はいつもとは違う上位の顔ぶれになっているので、スタートで集団に飲み込まれるとややこしいことになりそうです。しっかりスタートを決めたいなと思います」
12時40分から12周で争われた決勝レースでは、2番グリッドの坂上が好スタートを決めてトップでTGRコーナーを通過。下野、翁長、富下と続いて行った。前回のレースから好調さを発揮している坂上はKYOJOCUPで初めてラップリーダーとして1周目を終えたが、メインストレートでのスリップストリームを使って下野が横に並び、TGRコーナーで逆転した。
一方、6番手スタートの斎藤は1周目のダンロップコーナーで#37 金本きれい(KeePerアポロ電工フジタ薬局VITA)をオーバーテイクすると、2周目には富下も抜いて4番手に浮上。そのまま翁長との3番手争いを展開した。その翁長も坂上を射程圏内に捉えており、4周目には3台による2番手争いが白熱。ところどころで順位を入れ替えるシーンがあったが、最終的に坂上、翁長、斎藤の順で落ち着いた。
前戦とは異なり上位でも抜きつ抜かれつの戦いが展開される一方で、中団グループも熱いバトルが繰り広げられた。特に見どころが多かったのは、自身最高位となる12番手スタートとなった#559 織戸茉彩(MAX ORIDO VITA)。前半は#761 岩岡万梨恵(フクダ電子VITA)と激しいバトルを展開した。
レース中盤に入ると、翁長と斎藤の3番手争いに変化が出始めた。それまで積極的に仕掛けていた斎藤のペースが鈍り始め、後方にいる富下や#87 山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)が接近。7周目の13コーナーで富下が4番手に浮上すると、斎藤はズルズルと第2集団に飲み込まれる展開となり、8周目を終えた時点で8番手まで後退した。
さらにトップ争いでは、一度離されかけた2番手の坂上が、トップの下野に迫って7周目のTGRコーナーで逆転。そのままスパートをかけたいところだったが、8周目のダンロップコーナーでシフトミスがあって一瞬失速してしまい、その間に下野が逆転してリードを広げた。また9周目には翁長と富下の3番手争いが白熱。TGRコーナーでは富下が一瞬前に出かけたが、コカ・コーラコーナーで翁長が3番手を死守する。その後方では山本の横に並びかけた金本がスピンを喫して後退した。
終盤になっても各所で白熱したバトルが見られ、11周目には#50 永井歩夢(BBS VITA)、#213 バートン・ハナ(PRIX WORKSHOP VITA)のバトルに斎藤が加わり、3台横並びでTGRコーナーに進入。このバトルはコース終盤まで続いたが、そのGRスープラコーナーで外側に寄ってきたハナを避けようとした斎藤が、体勢を崩してスピン。一気に14番手まで後退することとなった。
「ここまで課題となっていた加速力を改善するために、チームと試行錯誤してきました。それでも足りないという状況でした。今回は色んな人とバトルをしましたが、直線では相手と比べて苦しいところがあったので、ブレーキングとコーナリングでは誰にも負けないくらいのポテンシャルがあったので、そこを活かして絶対に前に出さないように戦っていました」
「来年はKYOJOフォーミュラになるので、VITAを使ってのKYOJOCUPはもしかすると最後になるかもしれません。自分がしっかり結果を出すのもそうですが、応援してくれた皆さんに恩返しができるように、感謝の気持ちを持って走りたいです」
「予選はコンディション的にも自身があって『絶対にポールを獲ろうと思って走っていたのですけど、最終ラップで決めようと思って攻めた結果、ミスをしてタイムを更新できなかったので、4番手と悔しい結果になりました。決勝も巻き返そうと思って行ったのですけど、なかなか上手くいかず、後ろも迫ってくるし、前も混戦模様なので難しいレースでした。レース中のバトルで競り勝ちながら前に行くというのは難しいので、予選から1列目に並んでスタートしたいなと改めて思いました」
「1周目でポジションを落として、そこから追い上げていくレースになりました。前の方でも色々あったことで順位を上げていくこともできましたし、自分で抜いて行った場面もありました。後半になってトップ集団に近づいたことで自分のペースで走れるようになって追い上げも楽になりましたけど、前半は周りのペースに合わせながら上手く堪えながら上位を目指しました。最後に富下選手の後ろについてから自分のリズムを掴めるようになりましたが、なかなかスリップも使えなかったので……内容的にはスッキリできなかったなと思います。ただ、その中でも学びがあったので、自分の課題をクリアして次は目標を達成できるように頑張りたいなと思います」